📋 検証ステータス:横断調査記事 本記事は運営者による実機の実測レビューではありません。複数の公開レビュー(Mr.Chairs(YouTube)・オフィスコム「オフィスのギモン」・実使用者ブログ2本)を横断調査し、Steelcase公式の製品仕様と突き合わせて分析した記事です。
「アーロンやジェスチャーは20万円超で手が出ない。でも、10万円以下で”世界基準”のワークチェアが欲しい」。
その要望に対する海外勢の回答が、Steelcase(スチールケース)の**Series 1(シリーズ1)**です。Steelcaseはオフィス家具の世界最大手。そのエントリーラインでありながら、ランバーサポート・4Dアームレスト・座面奥行き調整という上位機の調整機能をほぼフルセットで積み、実売7万〜9万円台に収めてきたのがSeries 1です。
本記事では、椅子レビュー専門チャンネル Mr.Chairs(YouTube・しばたまる氏) の評価を軸に、オフィス家具のプロ(オフィスコム)と実使用レビュー2本(半年使用・公式ストア購入者)を加えた4つの公開レビューを横断調査し、Steelcase公式の製品仕様と突き合わせたうえで、ITプロの働き方に当てはめて分析します。
結論:横断調査から見えた「向く人・向かない人」
先に結論からお伝えします。調査した公開レビューの評価が一致していたのは、次の像です。
Series 1が向く人
- 直立〜やや後傾でのデスクワークが長く、腰のサポートを最優先する人。調整式ランバーサポートの評価は今回のソース間でほぼ一致しています。半年使用レビューは「ショールームで10脚以上試座した中で腰へのフィットが最も良かった」ことを購入理由に挙げ、公式ストア購入者も腰の負担軽減を最大の効用として報告しています(※出典: ハッサンBlog(2022年12月)/パンキーでファンキーな思い出の果て(2024年5月)、いずれも2026年8月閲覧)
- 省スペース・模様替え前提の在宅ワーカー。本体16.3kgと比較的軽量でスリム。オフィスコムのプロも「軽量でリモートワークに向く」点を評価しています(※出典: オフィスコム「オフィスのギモン」、2026年8月閲覧)
- 実売7万〜9万円で、調整機能を妥協したくない人。この価格でランバー+4Dアーム+座面奥行き調整+長期保証が揃う構成は、スタンダード帯でも希少です
別の選択肢を先に検討すべき人
- 柔らかい座面が好みの人。座面クッションは「硬め」という指摘が実使用レビュー2本で共通しています(後述)
- リクライニングを深く倒して固定したい人。中間角度でのロックができない・固定段階が少ないという指摘があります
- 前傾姿勢でのコーディングが中心の人。Series 1に前傾チルトはありません。前傾型なら前傾10°対応のオカムラ シルフィーが対抗候補です
Series 1とは|公式スペックの一次確認

Steelcase Series 1は、世界最大手オフィス家具メーカーSteelcaseのエントリーラインでありながら、上位機の調整思想をほぼフルセットで受け継いだワークチェア。高さ調整式ランバーサポート、4Dアームレスト、座面奥行き調整を標準搭載し、実売7万〜9万円台に収めた。背骨の動きに追従するLiveBack構造で直立〜やや後傾の作業姿勢を支え、約16.3kgと軽量スリムで在宅環境にも導入しやすい。保証は本体構造が無期限、可動部12年と長期。一方で座面は硬めで、リクライニングの中間ロック不可、前傾チルト非搭載という割り切りもある。「腰サポート重視×直立作業型」のITプロに向く、スタンダード帯の有力機だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 価格 | 公式¥79,980〜86,980/Garage¥88,000(税込)。セール時は約2割引の実績 |
| ランバーサポート | 高さ調整式が標準搭載(3Dマイクロニット背) |
| 背もたれ構成 | Air LiveBack仕様はランバー非搭載 |
| アームレスト | 4D調整(上下・前後・左右・角度) |
| 座面 | エアポケット内蔵クッション+奥行き調整。硬めの報告が複数 |
| リクライニング | 強弱調整+段階固定。中間角度ロック不可 |
| 前傾チルト | 非搭載 |
| サイズ・重量 | 約16.3kg・スリム(座面高419〜546mm) |
| 保証 | 本体構造は無期限、可動部・張り地等は12年 |
| 納品形態 | Amazon正規品はメーカー組立完成品/Garageは約10分の組立 |
気になる点
- 座面クッションが硬めで、浅く座るとお尻が痛くなるという報告あり(深く座れば解消したとの声)
- リクライニングは中間角度でロックできず固定段階が少ない。倒すとアームレストと背もたれが一緒に動く
- 4Dアームはストッパーがなく、力をかけるとずれやすい 使用中に座面がずれるという指摘(半年使用レビュー・設計由来と判断)
- 個体差の報告あり(座面硬さ・アーム抵抗が3脚で異なった)
- 後付けヘッドレスト(¥14,116〜)は「合わなかった」報告があり、同時購入は非推奨
- Air LiveBack背仕様にはランバーサポートが付かないため、購入時は構成確認が必須
- 直立〜やや後傾の姿勢で長時間働き、腰のサポートを最優先する人
- 実売7〜9万円で調整機能(ランバー+4Dアーム+奥行き調整)を妥協したくない人
- ワンルーム・賃貸などで省スペース・軽量・搬入しやすさを重視する在宅ワーカー
- 硬めの座面を許容できる(またはむしろ好む)人
- 派手なゲーミングチェアから「脱ゲーミング」したい仕事+ゲーム兼用の人
- 長期保証(可動部12年)で1脚を長く使いたい人
横断調査した4つの公開レビュー
単一レビューの要約は行いません。立場の異なる4ソースを突き合わせ、一致点と相違点を整理しました。
| ソース | 評者の立場 | 検証の性質 |
|---|---|---|
| Mr.Chairs(YouTube) | 「月に1脚は椅子を買っている」椅子専門レビュアー(しばたまる氏) | Steelcase複数機種の実機比較(【要確認】該当動画・発言の特定は公開前に実施) |
| オフィスコム「オフィスのギモン」 | オフィス家具販売のプロ | 取り扱いプロによる実座レビュー |
| ハッサンBlog | 170cm・腰痛持ちの実使用者(仕事+ゲーム用途) | 半年使用レビュー+ショールーム10脚以上試座 |
| パンキーでファンキーな思い出の果て | 169cm・公式ストア購入者 | 購入レビュー(大塚家具新宿で試座のうえ購入) |
4ソースの評価一致点
① ランバーサポート(腰の支え)が最大の強みで一致。 ハッサンBlogは「ショールームで10脚以上試座した中で最も腰にフィットした」ことを購入の決め手に挙げ、公式ストア購入者は深く座って背中を付ける座り方なら腰の負担が大きく減ったと報告。オフィスコムのプロも「体格に応じて調整できるランバーサポート」と背骨のカーブに追従するフレクサー機構を第一の特徴に置いています。この価格帯で調整式ランバーが標準搭載される点は、シルフィー(標準構成ではランバーなし)との明確な違いです。
② 4Dアームレストの調整幅で一致。 上下・前後・左右・角度の4方向調整をオフィスコムは「肩を適切に支える」と評価し、ハッサンBlogもタイピング・ゲーム時の腕の置き位置が安定する点を長所に挙げています。一方で公式ストア購入者は「ストッパーがなく、力をかけると割と簡単に動いてしまう」とも指摘しており、調整幅は広いが固定力は緩めという理解が正確です。
③ コンパクト・軽量で在宅向きという点で一致。 オフィスコムは「多機能チェアとしては軽量・スリムで在宅勤務に向く」と評価。本体約16.3kgはアーロン(約19.2kg)より3kg近く軽く、ワンルームでの搬入・模様替えの負担が小さいのは公式仕様からも裏付けられます。
④ 座面クッションは「硬め」で一致(好みが分かれる点)。 ハッサンBlogは「高級機と比べると硬め」、公式ストア購入者は「最初はお尻が痛くなったが、深く座る姿勢に直したら解消した」と報告。柔らかい座面を期待して買うと後悔するタイプのチェアです。エアポケット内蔵クッション(公式仕様)は体圧分散型であり、ソファ的な柔らかさとは設計思想が異なります。
評価が分かれた点・個別の指摘
- リクライニング:公式ストア購入者は「中間角度でロックできず、固定は段階式のみ」「リクライニング時にアームレストと背もたれが一緒に動く」と不満を記載。ハッサンBlogも実用的な角度は少ないとしつつ「動作音が小さい」点は評価。後傾でゆったり過ごす用途を重視する人は要試座です
- 座面のずれ:ハッサンBlogのみ「使用中に座面がずれる(不具合ではなく設計由来と判断)」を指摘
- ヘッドレスト(オプション・¥14,116〜17,600):ハッサンBlogは「購入したが自分には合わなかった」と報告。後付けヘッドレストは体格依存が大きく、評価が安定しない典型オプションです
- 個体差:ハッサンBlogは3脚を比較して座面硬さ・アーム抵抗に個体差があったと報告(サポート対応は丁寧だったとのこと)。大量生産機ならではの注意点です
Deskraft独自評価:ITプロの職業文脈5軸
ここからは引用の要約ではなく、Deskraft独自の評価軸——エンジニア・ITコンサルの働き方への適合性——で、公式仕様と4レビューの情報を採点し直します(◎○△の相対評価。※実測ではなく横断調査に基づく分析です)。
| 評価軸 | 判定 | 根拠 |
|---|---|---|
| ① 前傾集中作業(コーディング・設計) | △ | 前傾チルト非搭載。直立姿勢のランバーサポートは強いが、前のめり型の人はシルフィー(前傾10°)が合理的 |
| ② Web会議での姿勢・映り | ○ | ランバーで背筋が立ちやすく、ミドルバックで圧迫感のない映り。ただしヘッドレスト非標準で、後傾リラックス会議派には不向き |
| ③ 体格適合レンジ | ○ | 座面高419mm〜はシルフィー(420mm〜)と同水準で小柄〜標準に対応。4Dアーム+座面奥行き調整で微調整幅は広い。座面ずれ・アーム固定力の指摘があり大柄な人は要試座 |
| ④ 在宅ワークへの導入しやすさ | ◎ | 約16.3kgと軽量スリム、メーカー組立完成品の流通あり(Amazon正規輸入品)。ワンルーム・賃貸での搬入障壁が低い |
| ⑤ 投資対効果(スタンダード帯として) | ◎ | 実売7万〜9万円でランバー+4Dアーム+奥行き調整+12年保証。セール時は7万円前後まで下がり、調整機能あたりの単価はスタンダード帯トップクラス |
総合すると、Series 1は「直立〜中間姿勢で長時間働き、腰サポートと省スペース性を重視するITプロ」に最適化されたチェアです。逆に、深い後傾での寛ぎや柔らかい座り心地、前傾特化を求める人には、それぞれ別の最適解があります。
比較対象3機種:価格帯の基準点で見る
Deskraftのチェア基準3機種(※2026年8月時点の参考価格。変動します)と並べます。Series 1はスタンダード帯で、シルフィーの直接対抗です。
| 項目 | イトーキ サリダ YL9 | Steelcase Series 1 | オカムラ シルフィー(ハイバック) | Herman Miller アーロン リマスタード |
|---|---|---|---|---|
| 位置づけ | エントリー | スタンダード(海外勢) | スタンダード(国産) | ハイエンド |
| 参考価格 | 約¥35,000前後 | 実売約¥70,000〜90,000 | 実売約¥80,000〜115,000 | 約¥250,000前後 |
| ランバーサポート | 調整式あり | 高さ調整式が標準(3Dマイクロニット背) | 標準構成ではなし(オプション) | PostureFit SL(仙骨+腰椎2点支持) |
| 前傾チルト | なし | なし | 前傾10° | あり |
| アームレスト | 調整式(モデルによる) | 4D(上下・前後・左右・角度) | 3Dアジャスト | フル調整 |
| 本体重量 | — | 約16.3kg | 約16.4kg | 約19.2kg |
| 保証 | メーカー保証 | 本体無期限+可動部12年 | メーカー保証 | 12年 |
| おすすめする人 | まず数万円で座環境を底上げしたい駆け出しIT職 | 直立姿勢×腰サポート重視・省スペースのITプロ | 前傾集中型・小柄〜標準体型 | 予算25万円で「10年使う最終回答」が欲しい人 |
シルフィーとの選び分けは「姿勢」で決まります。前傾でコードを書く時間が長いならシルフィー、直立〜やや後傾で腰を支えてほしいならSeries 1。この2脚で迷ったら、自分が集中しているときの姿勢を1日観察してから決めてください。詳細はチェアの選び方完全ガイドを参照。
購入前に確認すべきこと
① 背もたれ構成(ランバーの有無)を先に確定させる。前述のとおり、Air LiveBack仕様にはランバーサポートが付きません。国内EC・代理店経由なら3Dマイクロニット+ランバー構成が標準的ですが、並行輸入品や海外購入では要確認です。
② 可能なら試座する。**座面の硬さとリクライニングの固定感は、今回のソース間でも体格・好みによって評価が割れました。公式ストア購入者は大塚家具(IDC OTSUKA)新宿ショールームで予約なしの試座を報告しています。Steelcase取扱店(大塚家具・ワーカホリック等)での試座を推奨します。
③ セールを待つ価値があるブランド。**公式オンラインショップは2〜3割引セールの報告が複数あります。急ぎでなければ、セール時期(大型連休・年末等)を狙うと1万円台後半の差が出ます。
④ ヘッドレストは慎重に。**後付けオプション(¥14,116〜17,600)は「合わなかった」報告があります。本体と同時購入せず、必要を感じてから検討する順番を推奨します。
よくある質問
Q. Series 2との違いは?
Series 2はSeries 1の上位派生で、背もたれが大きくなりデザイン・張り地の選択肢が広がります。調整機能の根幹(LiveBack・4Dアーム)は共通のため、体格が標準域なら価格の安いSeries 1で十分という比較が多数派です。国内では取扱店の動画(Garage Lab.)でも両者の比較が公開されています。
Q. ゲーミング用途にも使える?
ハッサンBlogは仕事+ゲーム(Splatoon 3)併用で半年使用し、4Dアームによる腕の安定を利点に挙げています。長時間の直立集中という点でゲームとコーディングの要求は近く、派手な見た目を避けたいゲーマーの「脱ゲーミングチェア」先としても選ばれています。
Q. 腰痛には効きますか?
チェアの変更による身体への影響は個人差が大きく、効果を断定することはできません。今回の調査では腰のサポート感を評価する声が複数ありましたが、いずれも個人の感想です。症状がある場合は医療機関に相談してください。
Q. 組み立ては必要?
販路によります。Amazonの日本正規輸入品(435A00)はメーカー組立完成品、Garage経由は約10分・1人での組立と案内されています。完成品配送を優先するなら販路で選んでください。
まとめ:後悔するかどうかは「姿勢と座面の好み」で決まる
4つの公開レビューと公式仕様を突き合わせた結論はシンプルです。Series 1は、世界最大手の調整機構を7万円台に凝縮した、直立姿勢×腰サポート特化のスタンダード機です。後悔の声の正体は製品の欠陥ではなく、「柔らかい座面や深いリクライニングを期待して買う」「前傾型なのに直立特化機を選ぶ」というミスマッチにありました。
腰のサポートを最優先し、硬めの座面を許容できるなら、この価格帯で最有力の候補です。迷いがあるなら、まずチェアの選び方完全ガイドで自分の姿勢タイプを確認してから戻ってきてください。
レビュー
0